長時間同じ姿勢でいると肩こりが起こるように、日頃運動不足だと血流が悪くなり、腸のぜん動運動も鈍化して便秘を招く原因となります。
このため便秘解消には適度な運動が欠かせません。
とはいえ、過度にハードなトレーニングをする必要はありません。
便秘解消には運動は腹部を刺激することができるエクササイズや体操といった軽めの運動を毎日の生活に取り入れるだけでも十分効果が期待できます。
なかでも腹筋回りを中心とした筋トレをはじめ、ウォーキングなどの軽い全身運動、すきま時間でもできるちょっとしたストレッチは便秘解消に最適です。
便秘と運動の関係性
水分や食物繊維の不足、ストレスなどと並び、運動不足は便秘の大きな原因のひとつです。
特に便秘のなかでも大腸のぜん動運動が低下することにより腸内に便が滞在する時間が長くなり、水分が大腸に吸収されて便が固くなることによって起こる「弛緩性便秘」は運動不足や筋力の低下などが要因とされます。
これは便を押し出すときに必要な腹筋の力が足りないため、十分に腹圧がかからず、便を排出することができないからです。
一方で筋トレによって腹筋うをはじめとした筋肉を刺激すれば排便に必要な筋力の向上だけでなく、腹部の血行を促進することもできるので、
自律神経のバランスが改善するとともに腸管運動のリズムも整えられ、便秘解消には相乗効果も期待できます。
便秘に効果的な筋トレとは
では便秘解消のために必要な腹筋はどのように鍛えればよいのでしょうか?
筋トレのなかでも便秘の解消により効果的なのは、腸の動きに直結する腹筋回りの筋トレです。
まずは軽めの筋トレから
筋トレは最初から大きな負荷を伴うと筋肉を痛めてしまうこともあります。
そこでまずは座ったままの体制で軽めの筋トレをおこなうとよいでしょう。
その方法は、床にすわり両手を後ろについてバランスをとった状態で両足を揃えたまま伸ばして30センチほど上げ、しばらくキープするものです。またこの動作は10回ほど繰り返します。
慣れてきたら通常の腹筋運動
軽めの筋トレに慣れてきたら、次は通常の腹筋運動をおこなってみましょう。
はじめは10回程度を目標にし、少ない回数でも構いません。
仰向けに寝転んで、ひざを立てて上体を起こす動作を無理のない回数繰り返します。
バタ足動作も効果的
通常の腹筋のほかに水泳のときのようなバタ足の動作も腹筋を鍛えるには効果的です。
両腕を組んで額の下に置いた状態で床などにうつぶせに寝転んで、大きくゆっくりとバタ足動作をします。
このとき脚はまっすぐのばし、膝を曲げないように注意します。
仰向けで腰上げ動作も
バタ足動作とは反対に仰向けで寝転んでおこなう腰上げ動作でも腹筋を刺激することができます。
ひざを「く」の字に曲げ、できるだけ腰を高い位置に上げて10秒程度キープする動作を繰り返します。
この動作は腹筋はもちろん、腸の動きを活発化させるのにも効果的です。
より負荷をかけたつま先のぞき
仰向けの状態でより腹筋に負荷をかけられるのはつま先のぞきです。頭を支えるように両手を首のうしろで組んだら上半身を起こし、つま先をのぞき込むような体制を30秒程度キープし、これを繰り返します。テレビをみながらでもできる簡単な動作ですが、腹筋により大きな負荷をかけることができます。
筋トレとあわせて試したい便秘解消に効果的な運動
腹筋を鍛えるだけでなく、同時にさまざまな動作や全身運動をおこなうとさらに便秘解消に効果的です。
筋トレ同様、はじめは軽めのものから取り入れてみるとよいでしょう。
隙間時間でもできる動作を取り入れる
激しい運動が苦手という方は日常生活になかでも簡単できる動作がおすすめです。
そのひとつが立ったまま腰をひねる動作で、上半身の力を抜き、肩幅程度に足を開いて立ったらそのままゆっくりと腰を左右にひねり動作を繰り返します。
このように腰をひねると腸が刺激され便意が置きやすくなるほか、腹筋を鍛える効果も期待できます。
ストレッチを取り入れる
より積極的に便秘解消のための運動に取り組むならヨガのように呼吸を意識しながらおこなうストレッチもおすすめです。
いすに座った状態や仰向けに寝転んだ姿勢で、おなかをしっかり伸ばし、身体を腰からゆっくりひねりる動作をおこないます。
このときゆっくり息を吐き出すようにすると副交感神経が刺激され、腸の働きを活性化させることができます。
ウォーキングを取り入れる
日常生活に取り入れやすい運動にはウォーキングもあります。
30分程度の軽いウォーキングは腸の動きを活発化させ、便を押し出す働きをする腸腰筋を鍛えることもできます。
またウォーキングは足をしっかり動かし、腹筋を意識しながらおこなうとより効果的です。
まずは無理のない短い時間からはじめ、慣れてきたらランニングなどにステップアップしてみるのもよいでしょう。
毎日の生活に運動を取り入れ便秘になりにくい身体を目指そう
便秘にはにはさまざまな要因がありますが、運動不足もそのひとつです。
そこで腹筋回りを中心とした運動は毎日少しずつでも続けることが大切になります。
また軽めの運動から少しずつはじめるのが生活の中に無理なく運動を取り入れるコツです。
さらにあわせて食事や生活習慣なども見直せば、便秘が改善するとともに便秘になりにくい身体の環境を整えることができるでしょう。